ドイツからのメッセージ Vol.59

 自民議連の移民誘致プラン反対

 (産経新聞  2008年6月24日「正論」より転載)

 ≪治安・安全保障の問題に≫

 それなのに、何と日本は、こうしたドイツなど移民大国が抱える諸問題には目をつむり、
時代に逆行するかのように遮二無二「移民立国」構築に邁進(まいしん)すると言う。
 彼らはそのリスクがいかに大なるものか、考えたことがあるのだろうか、
とさえ思えてくる。何よりも、移民推進で避けて通れないのは、国家の根幹に
かかわる治安および安全保障にあり、場合によっては反国家的活動が懸念されることも
考えざるを得ない。
 ドイツと異なり、諜報(ちょうほう)・防諜(ぼうちょう)機関はむろん
「スパイ防止法」さえ整備されていない日本にいきなり「移民立国」では、まるで目隠しを
して綱渡りをするような危険を伴う。

 私など、もしかするとこの「移民立国」とは、ここ数年浮いては消え、消えては
浮かびあがる「外国人地方参政権付与」法案と妙に連動していて、この法案への世間の
風当たりを避ける肩代わり案として、急遽(きゅうきょ)提案されたのではないか、
と勘操ってしまう。
 ちなみに私は今年でドイツ在住40年になるが、「日本国籍」ゆえに
ドイツにおける選挙権の行使を許されていない。それでこそ国家体制の固持であり、
「国家存続」の根性というものである。
 早まって後悔しても後の祭りである。即刻白紙に戻し、今一度慎重に
検討してもらいたい。

http://www.takakoklein.de/doitsu/doitsu59.htm